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ドイツ ウンハイリッヒ & ブンデスリーガ観戦記 2016

ドイツの国民的ロックバンド、ウンハイリッヒとボルシアドルトムント、バイエルンミュンヘンの試合を見に行った一人旅。


1/29 シュツットガルト ハンス=マルティン・シュライヤーハレ

1/30 ボーフム マトリックス

1/30 ドルトムント ヴェストファーレンシュタディオン

1/31 ミュンヘン アリアンツアレナ


−本編へ−





UNHEILIG

 ドイツでしか見られないバンド、ウンハイリッヒ。RUSHなんかよりさらに日本での知名度は全く無いので説明します。ウンハイリッヒとはボーカルの、スキンヘッドに真ん中だけ剃ったアゴヒゲがトレードマークの大男、デア・グラフその人である。日本で言うと「ザ・山田」とか名乗っているようなもんだと思われる。



メンバーは以下の4人組。

ボーカル Der Graf
キーボード Henning Verlage
ギター Licky (Christoph Termuhlen)
ドラム Potti (Martin Potthoff)



 左からポチ、ヘニング、グラフ、リッキー

 ライブ編成はデペッシュモードに近い。グラフ以外の彼らが正式メンバーなのかサポートなのかも良くわからない。何せ資料が全部ドイツ語なので自分も詳細はあまり詳しくなかったりする。日本語で紹介されているサイトが無い。ギターのリッキーはそこそこ存在感あるけど、ドラムなんか名前ポチだからね、犬扱いかよって。

 ラムシュタインやOOMPH!に代表されるインダストリアルビートとハードロック/へヴィメタルをミクスチャーしたドイツ特有のジャンル、インダストリアル・メタル、ニュー・ジャーマン・ハードネスのバンドとして1999年ぐらいに結成。

 ゴシックな世界観を標榜していたウンハイリッヒは当初は楽曲もビジュアルもおどろおどろしかったが徐々に変化。
 ピアノとストリングスを使った格調高いサウンド、メロディアスで壮大な曲を、ダンディなスーツに身を包んだグラフが艶のあるバリトンボイスで歌い上げるというスタイルを確立。これがドイツ人の琴線に触れたのか、2010年のアルバム「Grosse Freiheit」 は200万枚を売り、一気に国民的バンドになったのでした。



 リッキー、グラフ、ヘニング。こういう公の場所にもポチだけ呼ばれてないことが多い。まあたいていグラフ1人なので他の2人がいるだけでも珍しい。しかしヘニングさんはもろドイツ人って感じの顔だな。


 何故わざわざドイツに見に行くまでこのバンドを好きなのかを説明するには、自分のリアルタイムでの洋楽ロック遍歴に遡る。
 洋楽ロックの聴き始めは80年代後半のボンジョヴィ、ヴァンヘイレン、ガンズとかアメリカンロックから始まった。そういうのを最初に聴いたから90年代に入ってからのグランジ・オルタナにはあまりハマらなかった。
 90年代はイギリスのロックの方が面白くてUKロックの方を聴いていた。ブラー、パルプ、マニックス、クーラシェイカー、マンサン、オアシスレディへとかね。しかし00年代に入るとイギリスはガレージロックリバイバル、ニューウェーブリバイバルが流行ったがそういうバンドは面白く感じなかった。リバイバル元を聴いた方がいい。
 アメリカの方はグランジがマイルドになってモダンロック/ポストグランジといったメロディアスなバンドが好みに合ったので00年代はアメリカンロックに戻った。クリード、トレイン、ニッケルバック、ライフハウスとか。マイナーなバンドまで聴いたが00年代も終わりが近くなるとBlue Octoberを最後にもう新しいバンドは出なくなる。ロック自体が流行らくなったこともあり。


 00年代、リアルタイムで聴くバンドが無くなった。ここで英米にこだわらなくてもいいんじゃないか、ワールドワイドに売れるのは英米のバンドだけだが日本と同じでガラパゴスなその国だけで流行っているバンドの方が面白いんじゃないかと気づいた。

 それで各国のチャートを見たりしてイタリアのネグラマーロなどと共に見つけたのがこのドイツのウンハイリッヒだった。
 Geboren um zu lebenがとにかく圧倒的だった。ことに壮大で大げさな音楽が好きな自分にはたまらないサウンド、ラストにはピンクフロイドの「Another Brick in the Wall」風の子供たちのコーラスまで入ってくるのだから。そしてこの男は一体何だ! どのPVを見てもこの容貌魁偉な大男がドアップで歌い上げる、圧倒的なインパクトだった。ワールドワイドに売れそうな感じが全然ないもん、これはドイツだけだ。グラフのようなマッチョな男が国民的スターになるドイツがさらに好きになった。



準備編

 というわけで、いつかウンハイリッヒのライブとサッカーのブンデスリーガを見にドイツへ行くぞと心に誓ったのでした。いつか、飽くまでいつかでした。

 悠長でいられなくなったのが2015年、ウンハイリッヒ解散するらしいという情報が。例によってドイツ語がよくわかんなくて放っといたら最後のツアーの日程まで出てしまったのでこれは本当だろうということになった。
 ラストツアーは2015年から2016年の2月までで一時中断、6月から野外でのツアーに入り9月初頭のケルン公演でファイナル。夏休みは航空券が倍ぐらいになるから行くなら6月かと思ったけど、あら6・7月はブンデスリーガ休みじゃないか。あれ? というとこれはもう2月しかないじゃない、と気づいたわけです。




 最もタイミングがあったのは1月29〜31日の金土日。ライブ、サッカー共にこの3日間に集中していました。

・ウンハイリッヒ Zeit zu gehen - Die Abschiedstournee(さよならツアー)
29.01.2016 シュツットガルト Hanns-Martin-Schleyerhalle
30.01.2016 フランクフルト Festhalle

・ブンデスリーガ1部 第19節
29.01.2016 20:30 FSVマインツ05×ボルシア・メンヘングラードバッハ
30.01.2016 15:30 ボルシア・ドルトムント×FCインゴルシュタット
30.01.2016 15:30 バイヤー・レヴァークーゼン×ハノーファー96
30.01.2016 15:30 SVダルムシュタット×シャルケ04
30.01.2016 15:30 VfLヴォルフスブルク×1.FCケルン
30.01.2016 15:30 ヴェルダー・ブレーメン×ヘルタBSC
30.01.2016 18:30 VfBシュツットガルト×ハンブルガーSV
31.01.2016 15:30 FCアウグスブルク×アイントラハト・フランクフルト
31.01.2016 17:30 バイエルン・ミュンヘン×ホッフェンハイム


 これを見て最初に考えた旅程はこうだった。

1/29金 フランクフルト サッカー FSVマインツ05×ボルシア・メンヘングラードバッハ
1/30土 フランクフルト ライブ ウンハイリッヒ@フランクフルト Festhalle
1/31日 ミュンヘン サッカー バイエルン・ミュンヘン×ホッフェンハイム
2/01月 ミュンヘンから帰国

 フランクフルトに着いて、隣のマインツですぐ試合が見られる。後はフランクフルトからミュンヘンへ移動するだけ。ミュンヘンからも東京直行便が出ている。これで忙しなく動き回らなくて済むコンパクトな旅行が出来る、完璧だ。

 と思ったけどいろいろ問題が出てきた。まずフランクフルトでは世界的な見本市というのが開かれる、その間とてもホテルが高くなる。この週末もそれにぶち当たっていて、例えば自分が泊まったカールトンホテルは木曜は一泊7500円だったが、金土日は25000円くらいになっていた。これは馬鹿馬鹿しい。あとマインツがナイトゲームでかなり寒そう。ウンハイリッヒのライブはシュツットガルトの方で見るか?

 それにフランクフルトって雑多な都会で滞在していてあまり楽しそうじゃない。さらにせっかく行くのからドイツのバンドをもう一つぐらい見られないか、クラシック鑑賞もしてみたい、世界遺産も見たいんだけど、などとイベントを検索して結局こうなった。


1/28木 フランクフルト クラシック鑑賞@旧オペラ座
1/29金 シュツットガルト ライブ ウンハイリッヒ@Hanns-Martin-Schleyerhalle
1/30土 ドルトムント サッカー ボルシア・ドルトムント×FCインゴルシュタット
1/30土 ドルトムント ライブ Megaherz@ボーフムMatrix
1/31日 ミュンヘン サッカー バイエルン・ミュンヘン×ホッフェンハイム
2/01月 ミュンヘンから帰国

 ウンハイリッヒのライブを金曜に切り替えて、土曜のサッカーはどれを見るかと考えたら、やっぱりドルトムントだよなあ。もちろんバイエルンに次ぐビッグクラブで香川もいるというのもさることながらあのスタジアム、8万人収容で人の壁のようなゴール裏を誇るヴェストファーレンシュタディオンに入りたい。自分は1部リーグは一つ見ればいい、後は地方の下部リーグを見てドイツのわびさびを感じたいと思っていたのだが、まあバイエルン、ドルトムントの2大ビッグクラブを両方見られるというのもそう簡単に狙って出来るものではないだろう。

 ドルトムントに行くとなったらついでにケルン大聖堂へ行ける。サッカーが早く終わるので調べたらドイツのベテランバンドMegaherzのライブがあった。



 このバンドもドイツ特有のインダストリアル・メタル、ニュー・ジャーマン・ハードネスのバンド。何せ見た目からして面白そうだ。ドルトムントからSバーンで15分ほど、ボーフム・ランゲンドレールのライブハウスで見られる。
 あと他にあのダークネスや、ネオプログレバンドIQなどのライブがあった。迷ったがドイツに来たからにはドイツでしか見られないバンドを見た方がいい。あとアクセスが厳しそうなのでサッカーとハシゴ出来るのはこれしかなかった。



 しかしこの旅程だと上記のようにかなりいびつなジグザグ移動をしなければならない。特に最後のドルトムント→ミュンヘンの大返しがきつい。ドイツ新幹線ICEを使っても6時間弱かかる。東京-博多ぐらいか? だったら飛行機に乗ろうと思ったが、早朝のドルトムント-ミュンヘン直行便は無かった。近くのケルンかデュッセルドルフからならあったけど空港へ移動するまで2時間ぐらいかかるので結局同じくらいになるんじゃないか、だったら座りっぱなしでミュンヘンへ行けるICEの方がいい。というわけでまた鉄道乗りまくりの旅行に。



チケット



 ライブチケットはEventimで買った。日本でいうぴあやイープラス、アメリカのチケットマスターにあたるのがドイツはEventim。英語を選択してアカウントとクレジットカード登録、後はいろいろイベントを検索できる。もうやることは同じで英語のサイトならなんてことはない。
 ウンハイリッヒのライブがあるシュツットガルトのハンス=マルティン・シュライヤーハレはよくある楕円形の15,500人収容のアリーナ。世界的なバンドがシュツットガルトに来るとたいていここでやるようである。座席はスタンドにしか無く、なんと広いアリーナは全てオールスタンディングなのである。



 えーっ、代々木第一体育館や横浜アリーナみたいな会場の1Fアリーナが全てスタンディングなのかい!?
 だから今回一番最初に覚えたドイツ語がstehplatz(ステンプラッツ)だったりする。スタンド席はほとんど売り切れていて後ろの方がポツンポツン残っているだけ。だったらステンプラッツに挑戦してみるか…。ちなみにアメリカもそうだったが整理番号なんてものはない。日本と違ってそんなに極端に前から並ぶ人はいないものと思われる。フランクフルト公演は土曜だがシュツットガルトの方は金曜、平日だ。そんな行列は出来ないと見た。

 Eventimはライブハウスとか規模の小さいライブならプリントアウトのEチケット(Megaherzのチケットはそれ)。規模の大きいライブはチケット郵送である。日本にもUPSで郵送してくれる。ウンハイリッヒとクラシックのチケットをそれで頼んだ。しかしその郵送料が合計34.9ユーロなのである。高ぇ、だが背に腹は代えられん。


 サッカーのチケットはドルトムント、バイエルンミュンヘンそれぞれの公式サイトから買った。さすがにブンデスリーガともなれば日本から見に行く人は多いので、買うのに参考にできるブログはとても多かった。
 要は公式サイトからアカウント登録する。ドルトムントの方は発売日に買えた。メインスタンド上層ど真ん中の最前から2列目、 手数料込で79.7ユーロ。一番高い席らしいがそこしか売ってなかった。次の日には売り切れてもう売ってなかった。

 バイエルンミュンヘンの方は会員向け販売だけで売り切れの赤マークが出て、一般販売無し。Zweitmarktというバイエルン公式の転売サイトへ飛ばされる。いわゆるリセールだろう。



 Zweitmarktの方にも売りに出てないので一時はviagogoという世界的な転売サイトを利用しようと思った。しかしここはかなり吹っ掛けられる、無茶苦茶高い。毎日根気よくZweitmarktを見ているとたまに1、2枚出てくる。そこで見つけたのが2層目のほとんどゴール裏に近い斜めの席、手数料込で56.75ユーロ。アリアンツアレナは3層あり、見るなら2層目がいいと思っていた。これを速攻で落とした。



交通

 
ICEとIC

 各都市を結ぶ高速鉄道ICE、ICはドイツ鉄道のサイトで予約した。 当日はそのまま乗り込み、プリントアウトしたEチケットとクレジットカードを検札しにくる駅員に見せる。アメリカのアムトラックと同じ。

 乗る列車が決まっているのならジャーマンレイルパスを買うよりもバラバラで予約した方が安い。この事前予約は値段が日によって全然違う。シュツットガルト→ケルンは土曜だからか2等車で84ユーロ、その倍の距離のドルトムント→ミュンヘンが1等車で69ユーロ。
 しかし事前予約するとその列車にしか乗れない。ドイツ鉄道は遅れることも多いと聞いていたので、自分が乗る駅が始発の列車を多く選んだりもした。その方が遅れにも対応しやすいし、席選択をしなくても確実に座れる。今回の旅行では一度も遅れることはなく全て時間に正確でした。








目次

1/28(木) 
フランクフルト編
全日空 NH223 羽田空港→フランクフルト国際空港
クラシック鑑賞 Kammermusik mit Mitsuko Uchida@旧オペラ座

1/29(金) シュツットガルト編
観光 レーマー広場
IC フランクフルト→シュツットガルト
観光 宮殿広場
ライブ ウンハイリッヒ@ハンス=マルティン・シュライヤーハレ

1/30(土) ドルトムント編
ICE シュツットガルト→ケルン
観光 ケルン大聖堂
IC ケルン→ドルトムント
サッカー ボルシア・ドルトムント×FCインゴルシュタット@ヴェストファーレンシュタディオン
ライブ Megaherz@ボーフム マトリックス

1/31(日) ミュンヘン編
ICE ドルトムント→ミュンヘン
サッカー バイエルン・ミュンヘン×ホッフェンハイム@アリアンツアレナ

2/1(月)
観光 ミュンヘンレジデンツ
ルフトハンザ航空 LH714 ミュンヘン国際空港→2/2(火)羽田空港着






0128 フランクフルト編



 2016年1月28日(木)16:30。羽田から12時間乗ってフランクフルト国際空港到着。30分くらい遅れたかな。入国審査は日本人だらけの列で早くさばきたかったのか特に何も聞かれることなく。



 Sバーン(普通列車)に乗ってフランクフルト中央駅へ。空港はワールドワイドな感じでしたが、この真下にあるホームは雑然としたドイツの雰囲気が漂います。途中でブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトのスタジアムが見えました。



 フランクフルト中央駅到着。おお、ヨーロッパの駅って感じだ。欧州にやって来た。テンション上がりますね。



 駅ではイタリア物産展をやっていた。ドイツで見るイタリアフェアは新鮮。



 フランクフルト駅前は池袋のようだった。駅に近いビジホ、カールトンホテルにチェックイン。水回りが怪しかった。



 夜の繁華街へ。これはゲーテの像。





 フランクフルトで何も見ないのも芸が無いと思って、旧オペラ座(小ホールの方)でクラシック鑑賞。世界的ピアニストの内田光子とクラリネット奏者ヨルグ・ヴィットマンのコンサート。安い席のチケットを買ったらこんな真横でした。自分はひたすら緊張していました。



0129 シュツットガルト編





 翌朝、フランクフルトを早朝散歩。ライン川にかかる鉄の橋やレーマー広場を歩く。



 そしてウンハイリッヒのライブを見るためにICEに乗ってシュツットガルトへ向かいます。チケットは事前に別途予約してプリントアウトしたもの。アメリカのアムトラックと同じ。途中セクシーゾーンマリウスくんの故郷ハイデルベルクを素通り。寄りたかったが時間もないしマリウスくんの銅像があるわけでもないし。





 シュツットガルト中央駅に到着。この日までは本当に晴れていたんですけどね。ホテルは駅前のノヴムホテルリーカー。値段も手頃だしいいホテル。



 宮殿広場を観光。ドイツ人は歩きタバコが多い。男女比が5:5ぐらいで女の歩きタバコが多い印象だった。



 いよいよ旅の最大目的、ウンハイリッヒのライブを見にハンス=マルティン・シュライヤーハレへ。最寄り駅のSバーン・ ネッカーパーク駅。ハレまではちょっと距離がある。サッカーの時だけ運営される地下鉄のネッカーパーク駅からなら近いのだが今日はやってないだろうと思った。



 途中、サッカーVfBシュトゥットガルトのスタジアム、メルセデス・ベンツ・アレーナがある。



 17:00open 18:30startですが、開場30分前ぐらいに着きました。すでに多くの人が待っていますがキャパと比べて大した人数じゃない。大ホールのハンス=マルティン・シュライヤーハレより小ホールのポルシェアリーナの方がデカデカと書いてある。ポルシェアリーナはメタルバンドのマノウォーです。そっちも見たかった。ちなみにハンス=マルティン・シュライヤーとはテロリストに殺された実業家の名前です。開場するともちろん整理番号などはなくゾロゾロ入ります。



 最前エリアはあのぐらい、赤坂ブリッツ程度の広さでしょうか。あの中ならどこで見たって大丈夫とTシャツなど買いに行きました。



 前座その1、BE ONEというバンド。ボーカルギターとDJという編成。明るくてドイツらしい感じがしない。



 前座その2、Bollmerというバンド。女性メンバーを2人も従えた伊達男がボーカルというゲスみたいな編成。こっちもドイツのバンドですがグーグードールズみたいなアメリカンロックでした。自分はドイツの、ドイツでしかないバンドが見たかったので拍子抜けですがウンハイリッヒへの期待が高まりました。



 オープニングかなりもったいぶりましたね。長いドイツ民謡のようなBGMからオープニング映像、バンドが現れ演奏を始めてもなかなか現れなかったグラフがいきなり欽ちゃんのように全力疾走で登場!









 ドイツ人はデカいので良く見えるか不安だったのですが意外にも女性ファンが多くてまあ大丈夫だった。最前ブロックは赤坂ブリッツにいるぐらいの感覚でした。周り100%ドイツ人、なんでこんな所に日本人が一人いるんでしょうか。
 格調高いサウンドにグラフのバリトンボイス、そして盛り上がるラストは太いハンマービートにメタリックなギターが乗るまさにドイツらしいジャーマンハードコアミュージック。ドイツの国民的バンドという、ここに来なければ体感できない音楽を体感させてもらいました。やっぱりもう1公演見たかった。



 終わったらこんなにいたのかってくらい客がいる。またネッカーパーク駅まで夜道を歩いて帰りました。



 シュツットガルト駅の売店はまだやってたのでピザを買って帰る。ドイツのビールは温くなっても旨かった。



0130 ドルトムント編



 早朝8時にシュツットガルトを発ち、2時間ほどでケルンにやって来ました。



 せっかくなので世界遺産の一つも見たかった。大聖堂は駅前にある。





 中に入りトド子のようにひたすら写真を撮ったり土産を買ったりする。あまり感動は無くやっぱり自分にはこういう所の観光は向いてない。名所観光だけの旅行には行けない人間だ。



 この時すでに雨風がきつかった。1時間程度の滞在でケルンを後にしてドルトムントへ。



 ケルン-ドルトムント間のICEは混んでいて席指定をしておいて良かった。世界有数のサッカーの町、ドルトムントへやって来た感動は暴風雨にかき消された。



 中央駅から少し歩くが、この旅行で一番いいホテル、エスプラナーデへチェックイン。この日は昼夜イベントがあるので最初は共同バストイレの簡易ホテルを予約してましたが、前年のサンディエゴのことを反省してちゃんとしたホテルに替えた。





 ドルトムントの中心街に出てチームストアやCD店を覗いたりするが、雨風がキツ過ぎる。なんだこの天気。当初ヴェストファーレンシュタディオンまでは歩いて行こうと思っていました。歩いても30分〜1時間程度だろう、天気が良ければいい散歩になったはず。しかしこの暴風雨では何もする気にならない。地下鉄で行こう。



 地下鉄Uバーンの乗り場は入場制限がかかっていてかなり待たされました。試合に間に合わないんじゃないかと思ったくらい。さぞぎゅうぎゅうの電車に乗って行くんだろうと覚悟しましたが来た列車はガラガラで座って行けた何故だ。



 線路しかない簡単な駅に降ろされしばらく歩き、うおおおお来たーヴェストファーレンシュタディオンだ! もうドラクエ感覚ですね。



 横殴り下殴りの雨にビショビショになり、印刷してきたeチケットもヨレヨレになりましたがなんとかQRコードを読み込んでスタジアム内へ。中はメジャーリーグみたいに派手に飾り立てた感じはなく質実剛健なコンクリート打ちっぱなしな感じ。 見えない所はあまり飾り立てないゲルマン魂。



 試合まで時間はないし飲み食いする気力も無かった。早く自分の席へ行こう。あれがゴール裏かすごい。



 席はバックスタンドのど真ん中である。すごい所に来たぞ。



 そしてこれが黄色い壁と呼ばれる世界最強のゴール裏。人がゴミのようだあああ。日立台の何倍あるんじゃ。





 ドルトムントのスタメンには、おっ香川がいるじゃないか! シンジカガーワが。この頃の香川はスタメンどころかベンチ入りもままならない状態だったのです。途中出場で見られるといいなぐらいに思っていましたがスタメンで来てくれるとは冷たい暴風雨を乗り越えてここまで来て良かった。その代わり看板スターのロイスがお休みでしたが日本人なら香川だよな。 ヤンキースタジアムで見たイチローを思い出す。


ボルシア・ドルトムント×FCインゴルシュタット@ヴェストファーレンシュタディオン







 冷たい雨の中の試合、ドルトムントが圧倒的かと思ってましたがインゴルも強かったです。特にモリッツ・ハルトマンという選手が攻守で活躍。
 あとこんな最もおとなしい客が座ってそうなカテゴリーの席でも野次や椅子を蹴ったりがすごかったですね。この席でこれならあのゴール裏とかどうなってんだ。日本だと敵チームがボールを持つとブーイングですがそれは無く味方のふがいないプレーに対するブーイングが凄い。欧州のチーム愛はキツい。みんなのんびり見てるメジャーリーグが懐かしい。
 ブンデスリーガは他の欧州に比べて熱狂的サポーターは少ないと聞いていたがドルトムントはちょっと別なのかも知れない。阪神ファンっぽい。





 後半に入ってカガーワもハルトマンも途中交代してしましましたが、ハルトマンがいなくなったのが大きかったと思う。 ドルトムントの点取り屋オーバメヤンが終盤2発を決めて沈めました。ダンケ! ビッテ!



 どうやら雨は止んだが寒いので早く帰りたかった。臨時駅に列車が来ると並ばずに殺到して乗り込む、満員電車の中でも壁を叩きまくり大声を上げて歌いまくり。やっぱりドルトムントサポはヤバい。

 しかし今日はまだ終われない。この後Megaherzのライブを見に行くのだ。ホテルに戻り1時間弱休息と食事ののちまたすぐドルトムント駅へ。



 20分程度でボーフム・ランゲンドレール駅着。ドルトムントじゃなくて隣町のボーフムなんですねここ。



 ライブハウスへは1本道のはずだったが、ランゲンドレールの町は路面電車の工事?をやってるらしくあちこち掘り返し迷路のようだった。なんで今時路面電車なんか作ってんだ。



 スーパーマーケットの隣にあるライブハウスMatrix BOCHUMへたどり着く。入る時なんかスタンプカードのようなものを渡され、帰る時それを返せと言われた。



 もう開演しており前座のERDLING、HELL-O-MATICのどっちかがやっていた。どちらも同じようなメタルバンドだ。ここは酒蔵を改造したライブハウスらしい。なんとか中くらいの位置まで進みましたが、ウンハイリッヒの時とは違いデカい屈強なドイツ男ばかりで何も見えません。そして体臭、ビール臭、熱気がすごい。メインのMegaherzが出てきてもほとんど見えないので一旦後ろに下がりました。







 物販でCDを買ってフロアに戻ると、後ろのゾーンの方が見やすかった。まあこの風体から想像できる通りの音楽です。 太いビートにメタリックなサウンド、そして野太いシャウト。こんなドイツの場末の町のライブハウスでこんなザ・ドイツなバンドのライブを見られたことは得難い思い出になりました。熱気がすごくデジカメの動作が止まりました。



0131 ミュンヘン編



 ドルトムント駅早朝7時。ICE529、ドルトムントからミュンヘンまで5時間半の旅です。



 自分の乗るICEの写真を撮っていると車掌に撮るなと文句を言われる。



 寝る気まんまんだったので、一番前にある常に薄暗いクワイエットルームを予約してあります。もうミュンヘンまで一歩も動きません。乗り心地はとても良かった。自分は電車なら何時間座ってても平気な人間だ。



 途中乃木坂いくちゃんの故郷デュッセルドルフを素通り。寄りたかったが時間もないし銅像があるわけでもないし。



 ついたー! ICEは時間通り13時にミュンヘン着。さすがドイツ、アメリカとは違う。



 ミュンヘン駅前すぐにあるホテル、ルイトポルトにチェックイン。日本人もよく泊まるようでスタッフも慣れている感じだった。





 キックオフは17:30だ。早く着きたいのですぐにアリアンツアレナへ向かう。まずUバーンの駅があるミュンヘンの中心部、マリエン広場へ歩いて行く。広場なのに活気が無いのは雨のせいでなくドイツでは日曜は全ての商店が休みであるため。駅の売店ぐらいしかやっていない。これが徹底されているのが凄いですね。日本なら出し抜いて儲けようとする輩がいるだろうし客のニーズも許さないだろう。



 しかし何かのパレードをやっていた。このマリエン広場駅からUバーン6線に乗って20分のフロットマニング駅がアリアンツアレナの最寄り駅である。



 フロットマニング駅。駅構内にバイエルングッズの出店もある。外は雪が舞っていた。









 おお見えた!ついに来たー、と見えても着くまで結構時間がかかるアリアンツアレナ。世界八番目の不思議、外見はとてもサッカー場に見えない。ここがバイエルンミュンヘンの本拠地。



 重々しいゲートを潜って中に入ると、やっぱり外見のカッコよさとは違う薄暗いコンクリートむき出しなゲルマン魂。とりあえずなにより一番上の席まで登ってくる。





 おおすごい、感動や。地球の裏側まで悪天候の中やって来たことが一気に報われるスカイスクレイパー。スタンドに出るこの瞬間のために生きてるなースタジアムマニアの本懐。でも日産スタジアムと比べると結構小さいような印象もある、これだけデカくてピッチとスタンド以外なにもないのがいい。



 あとはキャップとマフラータオルなどグッズを買う。そして食事は表示全部ドイツ語じゃないか。指差し注文するしかない。



 このようなプリペイドカードを買ってこれで払う。飲み物とホットドッグ買ったらもう終わりだ。



 そんなわけで自分の席にやって来たのだ。もっと斜めかと思ったが割とはっきりゴール裏だった。



 下の1Fがバイエルンサポが集まるクルヴァ。でもドルトムントみたいなヤバさはない。



 そしてバイエルンミュンヘンの選手が姿を現す。ロッベンだけはすぐわかる。ワンパンマン。
 出欠とります! Are You Ready? 番号



ノイアー!



レヴァンドフスキ!



ロッベン!



シャビ!



ラーム!



ミュラー!

 知っている選手ばかりだ。バイエルンといえばあとシュバインシュタイガーが見たかったけど彼はこの半年前に移籍していたのでした。


バイエルン・ミュンヘン×ホッフェンハイム@アリアンツアレナ







 勇壮なセレモニーから試合開始です。ビッグクラブの試合を見せてくれ。







 相手のホッフェンハイムというのは大富豪がオーナーになって急成長した新興クラブ。なので試合の方はもちろん圧倒的にバイエルンペース。何せほとんどホッフェンハイムのゴール方面で試合が進むのだ。ノイアーの出番が全くありません!ヒマそうでした。
 とはいえガッついて攻めまくるのでもなくベートーベンの皇帝のような雄大な試合運び。点取り屋レヴァンドフスキが前半と後半に1点ずつ決める横綱相撲でした。



 同時刻に欧州男子ハンドボール選手権の決勝が行われていて、ハーフタイムにドイツリードの報が入るとどよめきが起こります。周りの人が今ここのサッカーそっちのけでスマホでハンドボールのニュースを見てたり、ヨーロッパのハンドボール人気を目の当たりにした日でもありました。





 とはいえ試合は2-0でバイエルンミュンヘン勝利。ここはゴール裏なので選手が来てくれた。最後まで見て行きました。こんな超一流プレーヤーたちを見ることはもうないだろう。



 例によって帰りの電車は並びもせずどちゃくそに混みます。我慢して帰ろう。でも西武ドームに比べればすぐ乗れる方かな。



 ホテルに帰るとどこのテレビもハンドボールドイツ優勝のニュースです! そんなにメジャーなスポーツだったのか。この時自分は思ったね、東京五輪で見に行きたい種目はハンドボールだと。





 翌朝、ミュンヘンレジデンツを散策し観光。そしてやっと店が開いたので買い物。この日は月曜の朝なのである。主にドイツのロックのCDなどを購入。



 ドイツの電車は全て時間に正確だったが最後のミュンヘン空港行きの列車だけなかなか来なかった。時間に余裕を持った方がいい。あとはルフトハンザ航空で帰るだけだ。ミュンヘン空港の空はようやく太陽を見せてくれた。 (Ende)






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