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RUSH & メジャーリーグ観戦記 2013

 ニューヨークへRUSH/Clockwork Angels Tourとヤンキースの試合を見に一人旅へ行ってきました。


6/21 Hershey Giant Center

6/23 Nikon at Jones Beach Theater

6/22 New York Yankees vs Tampa Bay Rays

6/23 Yankees Old-Timers' Day





overture

RUSH

 やっぱり知らない人が多いと思うのでRUSHとはどういうバンドなのか、なんで海外まで見に行かなくてはならないのか簡単に説明させて頂きます。

 RUSHとは1974年デビューのカナダ出身のロックバンド。
 ゲディー・リー(ベース、ボーカル)、アレックス・ライフソン(ギター)、翌年加入のニール・パート(ドラム) という不動のトリオで40年活動を続けています。


70年代

 テクニカルなリズム、ゲディのハイトーンボーカル、ニールの歌詞によるSF・哲学的世界観の組曲など、当時の他のハードロックバンドと一線を画す個性を放っていましたがまだマニアックな存在でした。

 80年代に入るとテクニカルと哲学はそのままに「The Spirit of Radio」「Tom Sawyer」といったコンパクトなヒット曲 を放ち商業的に成功します。

 90年代に入るとさらに凄い。80年代に導入していたシンセサウンドを引っ込めて、ヘヴィでさらにテクニカルな路線を追求。アルバム「Roll The Bones」はそれまで以上にヒットし、ドリームシアターやプライマスといったフォロワーも現れプログレッシブメタルというジャンルの元祖となり、90年代以降のロックシーンにおいて確固たる地位を築く。

 ちなみにこう書くと難解な音楽のように感じるかと思われますが、そんなに難しいものではありません。演奏が緻密ということ以外は単純に子供でもカッコいいと思えるようなロボットアニメのテーマソングでもおかしくない曲ばっかりです。  

 このように年を追うごとに名声も商業的成功も高めていったのがRUSHというバンドなわけです。ここが重要な所で「昔は凄かった」バンドでは無いわけです。今年ロックの殿堂入りを果たし、60歳となった今でもその上昇カーブは続いています。


現在


 が、日本ではその人気は反比例してしまっています。
 RUSHのアメリカのゴールド・プラチナディスク獲得アルバムはビートルズ、ストーンズ、キッスに次ぐ。それほどのバンドであるにも関わらず一般的な知名度は全然ありません。

 ファンにとっては来日公演は悲願となっていますが、1984年に一度だけ来てその後30年ありません。欧米では大量のステージセットを使い数万人規模のアリーナでツアーをやるバンドなので、日本の知名度を考えると単純に採算に合わないのがその理由です。

 あとヨーロッパなら複数の国で数十公演出来るが、アジアに来ても日本だけ数公演しか出来ないというのも問題らしい。ゲディは「オーストラリアにも行った事が無いので日本とオーストラリアで出来ないか」みたいな検討はしてくれているので日本が嫌いというわけではない。

 今回体感してみて国際フォーラムぐらいの規模ではあのステージセットは使えないだろう、やっぱりさいたまスーパーアリーナ以上じゃないと厳しい。武道館でも小さく感じるのではと思える。

 かのマサ伊藤も90年代はアルバムのライナーノーツで常に来日を祈願していたがここ数年は「RUSHのライブを見たければ海外に行けばいい」とサジを投げてしまった。
 長い前置きでしたが、よってどうしてもRUSHを見たければアメリカやカナダ、ヨーロッパに行って見に行くというのが日本のファンの間ではほぼ常識。そういう状況です。


準備編

 かくいう自分も「Counterparts」辺りからだからもう20年近くRUSHのファンである。
 これだけラッシュを好きならもう行ってもいいんじゃないか。と、タモリと赤塚不二夫がホモに挑戦してみた時の 「これだけ一緒に暮らしているんだから愛し合うことも出来るんじゃないか」 的な思考法でもって海外大遠征を考えたのが2013年3月末のことだった。

 彼らも60才、自分も行けるうちに行っておいて心残りを無くしておきたい。新たな代表曲といえる「Headlong Flight」を生んだヘヴィな最新作「Clockwork angels」のツアーならぜひ見たい。
 去年から続いているClockwork Angels Tourは8月4日で終わってしまう。もう4ヶ月しかなかったので今から準備して行ける所、かつ夏休みだと航空券が高くなるのでその前がいい、となると行く所は自然絞られる。



June 21, 2013 Hershey/Giant Center
June 23, 2013 Wantagh/Nikon at Jones Beach Theater
June 25, 2013 Saratoga/Saratoga Performing Arts Center
June 28, 2013 Chicago/First Midwest Bank Amphitheatre


 この辺りになる。このWantaghというのは良く見るとニューヨークのことだった。Jones Beach Theaterはマンハッタンから電車とバスで2時間程度で行けるらしい。
 行くならここだろ、ニューヨークならヤンキースとメッツがある(メッツはやってなかった)もう一つの目的であるメジャーリーグも見られる。なんせ海外初心者で一人旅だから大都市の方がいい。友達に借りまくれば行けない場所でもないだろうニューヨークぐらい。


 当初は1公演だけ見ればいい、他は別のバンドのライブを見よう、なんかやってるだろうニューヨークなんだから。と考えていたが何もやってなかったので、だったらRUSHをもう1公演見るかということにした。
 Jones Beachの2日前のHershey Giant Centerに行くことにした。
 ペンシルバニア州の町ハーシーに行くには、ニューヨークからアムトラック(鉄道)に乗り3〜4時間でハリスバーグ(ペンシルバニア州都)へ行く。ハリスバーグからハーシーは近いように見えるのでタクシーで行けるだろう。何とかなるだろう。このアムトラックにも乗ってみたい、それ自体が目的の一つである。


 RUSHの2公演、野球3試合は全てticketmasterでネット予約した。当日窓口(Box Office)で予約した時印刷したバウチャー(確認書)とクレジットカードとパスポート等を見せるとチケットを受け取れる。アメリカではそれが当たり前らしい。アムトラック等も全部予約した。コミュ障で虚無僧の自分は現地でいろいろ交渉したくないので事前にネット予約出きるものは全てしておいた。
 ニューヨークへの航空券とホテルは旅行会社で取った。どこも相場はだいたい同じだったが1人だと追加料金がかかる。それが一番安かったイーネットトラベルという所で予約した。どこの旅行会社も一人の追加料金が4〜5万円くらいだったが、ここだと1万5千円だった。


 あとそういえば海外のライブは写真撮っていいんだよな確か。メジャーリーグも撮るだろう。ブロガーのはしくれとして写真は撮らないといかん。
 というわけで自主トレとして野球やサッカーの球場を見に行ったが、持ってるやつじゃ望遠機能が足りない。さらにいろいろ調べると海外ライブでもデカい一眼レフカメラは入場出来ないこともあると聞いた。荷物になるのでデカいのは自分も持ち歩きたくない。
 そうなるとポケットに入るコンパクトサイズで最大の望遠機能のあるデジカメが必要になった。
 カメラといえばニコンが一番というイメージがある、なんたって今回最終目的地がNikon at Jones Beach Theaterだし。その最新機種で光学22倍ズーム&ダイナミックファインズーム44倍を持つCOOLPIX S9500を買った。高かったがこいつがあれば後ろの席からでもイケる。旅行が100倍楽しくなるというわけだ。
 自主トレの結果1試合(3〜4時間)取り捲ってるとバッテリーが切れることがわかり、予備バッテリーも2個買っておいた。もはや死角は無い。




 今回行こうと思ったのは、ベストセラー作家の奥田英朗の「野球の国」「泳いで帰れ」「用もないのに」といったエッセイに影響を受けたことも触れておきたい。
 「野球の国」は作者が地方のプロ野球の試合を見に旅行へ行くエッセイだが、野球観戦以外何するのかといったら映画見に行くだけなんですよ。もうすっげえ映画見るんだよ。映画なんて何処でも見られるのにわざわざ旅先で…、なんて思っちゃいけない。そうだ、男の一人旅なんて自分がやりたいことだけやればいいのだ、と感銘を受けた。
 そういえば一人旅ってやつが苦手だった、なんか観光したりとか名物とか食べなきゃいけない気がして。そんなことは気にしなくてよかったのだ、自分が見たいもんだけ見てとっとと帰ってくればいいということに気づいた。出不精でデブ性の自分でも行けると背中を押された。

 ちなみに「野球の国」の次のエッセイ「泳いで帰れ」「用もないのに」になるとさすがに映画だけじゃネタ的にヤバいと思ったのか編集者が同行して観光ツアーとかにも参加させるようになってしまう。  わかってないなあ編集者、偏屈な作家の一人旅が面白かったのにステレオタイプな仕事しやがって。かくして「俺以外の観光客うぜえ」と毒づく内容になりました。



日程

6/21(金)

AA134 羽田空港→ニューヨークJFK空港

アムトラック ニューヨーク→ハリスバーグ

ライブ RUSH/Clockwork Angels Tour@Hershey Giant Center

6/22(土)

アムトラック ハリスバーグ→ニューヨーク

メジャーリーグ New York Yankees vs Tampa Bay Rays@ヤンキースタジアム

マイナーリーグ Staten Island Yankees vs Hudson Valley Renegades@スタテン島Richmond County Bank Ballpark

ライブ 渡辺貞夫@Blue Note Jazz Club New York

6/23(日)

2013 Yankees Old-Timers' Day@ヤンキースタジアム

メジャーリーグ New York Yankees vs Tampa Bay Rays@ヤンキースタジアム

ライブ RUSH/Clockwork Angels Tour@Nikon at Jones Beach Theater

6/24(月)

観光 セントラルパーク〜ダコタハウス〜エンパイアステートビル〜コニーアイランド〜アトランティックターミナル

AA135 ニューヨークJFK空港→

6/25(火)

→羽田空港着




目次


01.21日−1 東京−ニューヨーク

02.21日−2 マンハッタン彷徨

03.21日−3 ニューヨーク−ハリスバーグ

04.21日−4 ハリスバーグ−ハーシー

05.21日−5 ラッシュ/ライブ・アット・ハーシー・ジャイアント・センター

06.22日−1 ヤンキースタジアムへ

07.22日−2 ヤンキース VS レイズ 前編

08.22日−3 ヤンキース VS レイズ 後編

09.22日−4 スタテン島へ〜マイナーリーグ観戦

10.22日−5 マイナーリーグ〜ブルーノートNY〜夜のタイムズスクエア

11.23日−1 ゲートウェイセンター〜ヤンキースタジアムへ

12.23日−2 ヤンキース・オールド・タイマーズ・デイ

13.23日−3 ヤンキース VS レイズ

14.23日−4 ジョーンズ・ビーチへ

15.23日−5 ラッシュ/ライブ・アット・ジョーンズ・ビーチ・シアター

16.24日−1 セントラルパーク〜エンパイアステートビル

17.24日−2 コニーアイランド〜アトランティックターミナル〜帰国






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