2017 9/6〜9/12 Global Spirit Tour ワシントン〜ボストン〜ニューヨーク旅行記


旅程

6水
ANA NH2 成田→ワシントン
MARC ワシントン→ボルチモア
×MLB オリオールズ×ヤンキース@Oriole Park at Camden Yards 7:05 pm(雨天中止翌日順延)

7木
○MLB オリオールズ×ヤンキース@Oriole Park at Camden Yards 1:35 pm
MARC ボルチモア→ワシントン
○LIVE Depeche Mode/Global Spirit Tour@Verizon Center 7:30 pm

8金
アメリカン航空 ワシントン→ボストン
○MLB レッドソックス×レイズ@Fenway Park 7:10 pm

9土
アムトラック ボストン→ニューヨーク
○ミュージカル 2:00 pm
○MLS New York City FC×Portland Timbersat@Yankee Stadium 5:30 pm
○LIVE Depeche Mode/Global Spirit Tour@Madison Square Garden 7:30 pm

10日
アムトラック ニューヨーク→フィラデルフィア
○ミュージカル 2:00 pm
○LIVE Lady Gaga/Joanne World Tour@Wells Fargo Center 7:30 pm

11月
SEPTA-NJ Transit フィラデルフィア→ニューヨーク
○LIVE Roger Waters/Us + Them Tour@Barclays Center 8:00 pm

12火 ANA NH9 ニューヨーク→成田





5-1 ボルチモア/ワシントン編



 9/6 現地時間15:30、雨のボルチモア・ペン駅です。
 成田からワシントン・ダレス空港。バスとワシントンメトロを乗り継いでワシントンユニオン駅へ。そして在来線MARCに乗れば1時間でワシントンからボルチモアに着きます。
 ここからさらにライトレールへ乗ってカムデンヤーズへ行きオリオールズ×ヤンキースのナイターを見に行くつもりでしたが生憎のどしゃ降りです。この日は朝から雨が降り続けていました。
 ライトレールから見たボルチモアの町はなんかガラ悪そうでした。しかしカムデンヤーズ〜インナーハーバーの辺りは観光地で治安がいいそうです。



 カムデンヤーズから10分弱のホテルDays Inn Inner Harbor Baltimoreにチェックインしてから球場へ。この頃は小雨だったので、メジャーリーグはそう簡単に試合を中止にしないのでやるだろうと思っていました。
 しかし球場は閉まっていてネットで確認すると中止、明日のデーゲームに順延になったとのこと。メジャーって中止になったら係員もいないし張り紙もないのな。

 オリオールズはこの年一度も中止になってなかったのに日本から来てそれがぶち当たるとは…。両チーム日程が詰まっていて翌日に順延になる予測はしていました。
 翌日は朝からワシントンに戻り昼は観光、夜はライブの予定でしたが、観光を止めれば試合は見られます。スペースシャトルを見たかったけど仕方ない、試合の方が大事だ。



 球場の近くにはベーブルースミュージアムがある。ヒマだから行ってきました。ベーブルースの生家をそのまま記念館にしたので狭くすぐ見終わります。王貞治ミュージアムの方がすごい。



 行く予定が無かったインナーハーバーまで散歩に行ってきました。この辺はやっぱり治安がいい。ペン駅のあたりは歩けそうな感じがしなかった。なんだかんだ2時間以上歩き続けてしまったので疲れてホテルへ戻る。



 9/7早朝、前の日が嘘のように晴れ渡りました。11時にホテルをチェックアウト、荷物を預けて球場へ向かいます。13:30プレイボール予定でメジャーリーグは2時間前開門と聞いていましたが12時開門でした。





 みんなが見つめているのはアーロン・ジャッジの打撃練習。自分も彼を見るために来た。



 いいですねこの平日の昼下がり、前日中止からいきなり次の日デーゲームと言われて来れる奴ら。のんびりしていていい雰囲気でした。ちょっと2階席からの景色見てくる。



 2階席に上がって絶句。ああ、なんという美しさだ。写真では伝わらない感動だった。ライトには19世紀からある味のあるレンガ作りの倉庫、レフトからセンターにヒルトンホテルなど近代的な建物のコントラスト。そしてこの青空である。しばらく感動して泣いていました。
 この球場が出来てから、メジャーリーグのほとんどの球場がドームやアメフト兼用を駆逐しここと同じタイプのものになった理由がわかった。みんなこの景色が欲しかったのだ。雨のナイトゲームよりこっちの方が良かった。



オリオールズ×ヤンキース@オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ

 こんな場所から試合開始。近いぞ。オリオールズベンチ前なのでマチャドやアダムジョーンズ、スコープが歩いてくる。





 しかし試合は序盤からヤンキースの猛攻。そして第一打席でアーロン・ジャッジが一閃、まさにパワーで持って行った当たりの39号ホームランを確かに見た。ああ来てよかった、さすが未来のスーパースター。



 オリオールズは初回のチャンスにマチャドがゲッツー。この初回のジャッジ、マチャドの明暗で勝負はついてしまいました。
 オリオールズはアヘアへホームランマンばかりの打線に防御率5点台の先発陣、完全に近鉄です。二桁ホームラン10人っておかしいだろ。その打棒も見たかったのですがこの日はいい所がありませんでした。



 ヤンキース先発は2年前アスレチックスで見たソニー・グレイ。西海岸で見てまた東海岸で見るとはものすごい縁がある。彼はそのうち千葉に来るかも知れない。
 グレイが近鉄オリオールズ打線を抑え込み、ヤンキース打線は先発ガウスマンを引きずり降ろすと、出てくる中継ぎ全員にホームラン攻勢。9-1でヤンキースの圧勝でした。ちなみに4年前見たヤンキースから生き残っているのは不動のリードオフマン、ガードナーだけでした。



 絶対乗り遅れるわけにはいかないのでジャッジの最終打席を見た後球場を後に(あの後はノーヒット)。ホテルへ行き荷物を受け取りまた球場へ。
 球場の裏に駅がある。ワシントンとボルチモアを結ぶMARCは2種類あって、このカムデン駅発着は朝と夕方しか走ってません。ペン駅は一時間おきに走ってます。



 MARCは時間通りワシントン着。チャイナタウンにあるホテルPod DCへチェックイン。新しくできた簡易ホテルです。すぐにデペッシュモードのライブがあるベライゾンセンター(この後すぐキャピタル・ワン・アリーナに名称変更)へ。
 海外でこんな綱渡りなハシゴ観戦は本来やってはいけません。野球の雨天中止さえなければ余裕はあったのです。



 ベライゾンセンターは街中にあるアリーナなので入口がいっぱいある。これは前座のWarpaintのライブ。ポストパンクな音楽性でこういうのは昔は好きだったが今はそれほどでもない。でもガールズバンドなので興味深く見た。
 19:30ちょうどにスタートして40分で終わる。デペッシュモードのスタートは20:40過ぎだった。



Depeche Mode/Global Spirit Tour@Verizon Center











 第一印象はDVDで見てたのと同じ人達だなあ、みたいな現実感の無さを感じました。
 アリーナの2番目のブロックの1番前だから見やすいだろう、と思ってましたが海外のライブは後ろの奴らがガンガン来るのでオールスタンディングのような状態で見ることに。だからここではノリ重視。次のマジソンスクエアガーデンはスタンド席なので撮影はそっちメインでやろう。デペッシュモードはこの旅行のメインだから2回見ようと決めてました。

 マーティンがこんな元気な人だったのかという印象。特にソロコーナーでは。新作SpiritからはWhere's the Revolution"のカッコよさが群を抜いていました。クライマックスの"Everything Counts"以降のヒット曲ラッシュからはアリーナは揉みくちゃになって何がなんだかわかりませんでした。ボウイの追悼カバー"Heroes"は割と普通。



 23時過ぎに終了。念願のデペッシュモードをやっと生で見られた感無量です。終了後ベライゾンセンター正面入口前は車は通行止めになっていました。渋谷のど真ん中にアリーナがある感じなのでそりゃそうだろう。





5-2 ボストン編



 9/8早朝ワシントン・ロナルドレーガン空港。ダレス空港が成田ならここは羽田。市街地からとても近い。ここからいつものアメリカン航空に乗ってボストンへ。またニューヨークへ行ったら絶対ボストンのフェンウェイパークに寄りたかったのです。アセラエクスプレスに乗ろうかと思ったけど7時間ぐらいかかるし高い。メジャーリーグ公式からリンクが貼られているLCC、ジェットブルーに乗ろうと思いましたがアメリカン航空の方が安かった。ワシントン観光が出来なかったのでここでトランプTシャツなどを買いました。



 異常なくわずか1時間半でボストン・ローガン国際空港到着。空港からホテルのあるバックベイ地区までは5ドルでバスが出ていますが、サウスステーション行きの無料バスに乗りました。ケチってるわけでなくサウスステーションからバックベイまで歩きたかった。途中にボストンコモンという大きい公園があって他に観光する所ないから街歩きしつつ行きました。サウスステーション行きは無料バスだけあって現地民が多く乗り込んできてガラ悪い。



 ブルジョワ地区バックベイのシェラトンにチェックイン。自分にとっては高級なホテルだけどボストンには手頃なホテルが無くドミトリーのような所以外で一番安いのがここだった。デカすぎて迷いながら自分の部屋に行き一服したのち球場へ。
 バックベイからフェンウェイパークは15分ほど。途中ひと気の無い所も歩くがレッドソックスユニを着た人がいっぱい歩いているので夜の帰りでも大丈夫。聖地フェンウェイパークにグリーンモンスター側から到着。



 外野からも入れるけどここが正面入口。試合が近づくと通りが封鎖されて球場の一部になるらしい。本当に街中に建ってる球場なので。





 とりあえずグリーンモンスターからの眺めを見てくる。至る所に建ってる鉄骨が年季を感じていい。自分はスタジアムより鉄骨が好きなのかもしれない。



 聖地でも来てしまえば普通の球場、ですが何か懐かしい雰囲気も感じる。自分は子供の頃に来た後楽園球場を思い出しました。チーズバーガーを買って自分の席に座る。ホーム方向へずっと何かの撮影やってるんですが。プレイボールギリギリにどいた。



 試合は昨日と同じ。初回からレッドソックスが猛然と攻撃。ペドロイアのヒットで火が付きムーキー・ベッツの3ランホームランで先制。前年に比べてイマイチだったベッツですがこの日は活躍。4回にも5点を追加して一気に試合は決まる。



 レイズ先発は4年前覚醒を見て今やエースになったクリス・アーチャーでした。この日は8失点KO。前年9勝19敗とかいう園川みたいな成績を残しただけある。ちなみにロンゴリアもノーヒット。



 レッドソックス先発はセールと並ぶエースのポメランツ。デカいカッコいい。なんと4回までノーヒット。5回に9番キャッチャースークレに意外性の一発を食らってノーノー終了。これで試合の興味はなくなりました。





 なので球場探検をしつつ聖地フェンウェイパークの写真を撮ってまわっていました。



 最後はこんな所から見てました。音のこもるグランドスタンドで聞く名物Sweet Carolineの全員合唱はド迫力のテンション。日本だとここまでみんなで歌うってのは出来ないだろうなあ。ファンの熱狂度はドジャースと並ぶ。
 カムデンヤーズ、フェンウェイパークはどうしても行きたいスタジアムでしたが両方とも初回で勝負が決まってしまい試合的には面白くありませんでした。そういえば過去のメジャーリーグ観戦は全て接戦だった。地区優勝争いをするヤンキース、レッドソックスの強さが目立った2試合でした。





5-3 ニューヨーク前編





 9/9早朝、ボストン・バックベイ駅よりアムトラックNortheast Regionalに乗って南下。時間通り4年ぶりのニューヨーク到着。今回は陸路で参った! ペン駅の乗り場はかなり綺麗になってた気がする。ここから昼食は3日連続ネイサンズのハンバーガーでした。

 駅から2ブロック離れた所にあるチェルシーキャビンズにチェックイン。ネットカフェみたいな簡易ホテルです。例によって寝に帰るだけなので十分。連泊はしてないので共同シャワーは使ってない。何たって11:30からチェックインできるのがいい。このおかげで余計な時間がかからず、この日のミュージカル〜サッカー〜ライブという狂った3回まわしが可能になりました。
 ただ初めてNYに来る人はまともなホテルに泊まりましょう。独房みたいなので殺風景で寂しいから。イベントにしか興味のない訓練された遠征民の強い味方、それがチェルシーキャビンズです。





 荷物をおいてタイムズスクエアに繰り出した後、「Beautiful: The Carole King Musical」を見るためにStephen Sondheim Theatreへ。一番前の席が買えたんですよ、一つポツンと空いていたので。他のミュージカルと迷いましたが、ブロードウェイミュージカルを一番前で見る機会は人生でもう無いだろうと思い決めました。
 この旅行の少し前に予習で帝劇へ水樹奈々版を観に行ったから内容は完全にわかりました。一番前は現実すぎて非日常感が薄れる。



 本来なら劇場のすぐ横に地下鉄D線の駅がありヤンキースタジアムまで直行のはずだったがこの日運休。またか、またやってくれたNY地下鉄! しかし何とかするしかない、グランドセントラル駅まで歩いて緑の4線に乗りどうにかたどり着きました。ヤンキースタジアムよ、私は帰ってきた!



 これもうわかんねーな、ネット裏だと完全に野球。
 次のライブの時間ギリギリなので試合は最後まで見られない、というか「ヤンキースタジアムでサッカーをやっている所」が見られればそれで十分なのです。チケットもヤンキースに比べれば高くないし。





MLS New York City FC×Portland Timbersat@ヤンキースタジアム

 チーズステーキを買って、サッカーならバックスタンドにあたる外野席へなんとかキックオフギリギリにたどり着きました。ここならサッカー場という感じがします。自分の買った席は混んでいてキツそうなので後ろの空いてる方へ。全席指定だけどぶっちゃけ入っちゃえばどこ座ったって大丈夫ですよこれ。

 NYC FCのサポはみんなビジャとピルロのユニを着ている。7番と21番か、ピルロはいたけどなんだ、ビジャは出てないのか。ビジャはこの時スペイン代表に復帰していたことを後で知りました。だったらなおさら最後まで見なくていいや。というわけで試合はポートランドが一方的に攻め込む展開に。
 ちなみにこの年NYC FCはイースタン・カンファレンス2位、ポートランドはウェスタン・カンファレンス1位という思いもよらぬ強豪同士の戦いでした。ともにプレーオフではすぐ負けましたが。



 後半はこんな所から見ていました。しかし途中で離脱。せっかくヤンキースタジアムに来たのに2時間程度の滞在というのは残念だが「サッカー場としてのヤンキースタジアム」は堪能しました。

 地下鉄D線が運休だとペン駅=マジソンスクエアガーデンまで一気に行けない…、路線図を見て思案すると、そうだ次の149グランドコンコース駅で赤の2番線に乗り換えればいいんだ、と気づく。



 これが大当たり。駅前にダイレクトで到着。前座のWarpaintがやっている途中にたどり着きました。





 ここが伝説のマジソンスクエアガーデン、武道館と東京ドームを合わせたような娯楽の殿堂。コンコースにはここで行われたイベントのパネルが延々展示してあるのでつい一周して見てしまいました。そのおかげで歩くファンが来ているマジソンスクエアガーデン限定Tシャツを見つけ、そういうのもあるのかと購入できました。グッズはワシントンで買ってたから買わないつもりだったけど限定には弱い。



Depeche Mode/Global Spirit Tour@Madison Square Garden



















 隣の黒人に絡まれたけどやっぱり自分はスタンド席で見渡せる方がいい。ワシントンはほとんどスタンディングのライブハウスだったから。
 マジソンスクエアガーデンでも特別曲の変更はない。「Songs of Faith and Devotion」が死ぬほど好きな自分は白熱のデジロック「I Feel You」がクライマックスだったりする。
 しかしもっと盛り上がるのはやっぱりさらに昔の曲。「Everything Counts」を始め「Enjoy the Silence」「Personal Jesus」が大して変わらないアレンジでアリーナに響き渡るのは爽快だ。
 そしてバンド生還の歌「Home」を生で聴けたのは感涙もの。サーンキューーゥ、For bringing me here. For showing me home. For singing these tears. Finally I've found. That I belong here. この部分だけ歌えるのだ。デイブが元気でケツを振れるうちに見られて良かった。チェルシーキャビンズへ帰りすぐ眠る、ものすごい一日だった。





5-4 フィラデルフィア編



 9/10朝、懐かしのアムトラック・キーストーン号に乗り4年前通り過ぎたフィラデルフィアにやって来ました。この旅行当初はワシントンにもう一泊してナショナルズの試合を見る構想でしたが、メジャー1のスター選手ハーパーが怪我離脱で見る価値がだいぶ低下したためここでレディガガのコンサートを見ることにしました。
 もう一つはアリアナグランデのコンサートをアメリカで見た時の素晴らしさに比べて日本で見た時のあまりのショボさにがっくりしたので、今回の旅行は本場のアリーナコンサートをメインで見ようと決めました。なんたって当代随一のエンターティナーガガ様である。世界一のド派手なショーを見せてくれるに違いない。

 RUSHのゲディが「日本で1回のために機材持って来れへん」と言ってた。RUSHはそもそも日本じゃ客が集まらないけど日本でドームコンやれるレベルの外タレでもそれは同じこと。北米や欧州ならトラックで40公演ぐらい回れるけど、日本で数回のために全部機材運んだら赤字やん。よって本場と来日では演出に段違いの差が出るんでしょう。



 何故かコイン制のフィラデルフィア地下鉄に乗ってCity Hall駅へ。この市庁舎がフィラデルフィアの中心地。どこへ行ってもこの建物が見えて目印になります。
 Walnut-Locust駅の近くにあるIndependent Hotel City Centerにチェックイン。感じのいい所だった。この旅行ではいいホテルと簡易ホテルを交互に泊まっています。



 荷物を置いて観光に出ました。自由の鐘がある独立記念公園へ。フィラデルフィアの街は東海岸で最も東京に似ていて住みやすそう。ニューヨークのカオス感もボストンのブルジョワ感も無く穏やかだった。記念館に入るのが面倒なので鐘は外から見た。外からでも見えるようになっています。



 時間があったのでここでもミュージカルを見ました。ブロードウェイより全然安い。「Funny Thing Happened On The Way To The Forum/ローマで起こった奇妙な出来事」という古典的なコメディです。ドリフやダチョウ倶楽部の元ネタのようなコテコテのネタばかりで言葉がわからなくても面白かった。やっぱり喜劇だよ。客はアメリカの老夫婦しかいない、そんな中に謎の観光客としてひとり混じる感覚もまた楽しい。



 そしてメインイベントへ。フィラデルフィア地下鉄BSLの終点AT&T駅に到着(駅がネーミングライツなんでしょうか)。NFL、MLB、NBAの施設が全部ある広大なスポーツコンプレックスです。昔はベテランズスタジアムというバカでかい兼用球場が一つあったみたいですが全部分けられました。ああフィリーズの試合も見たかった。



 ここがNBA/NHLの本拠地でもあるアリーナWells Fargo Center。自分は荷物をほとんど持たずに来ましたが、昨今テロが多いため手荷物検査は厳密に行われて入場にかなり時間がかかりました。
 あとなんか客層も良かった。ファンはアーティストの鏡というか20〜30代の気のいい人たち。男も多い。心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ。アメリカの他のライブはいつもどこか殺伐としてたから。



 Tシャツやコーラを買って自分の席へ。このどこがステージなのかわからない面妖なセットを見てこれは全部日本に持って来れないだろうと思いました。
 19:30開演だとアメリカのライブは普通は前座があって21:00メイン登場ですが、今回前座は無かった。じゃあ19:30にガガ様かと思うでしょ、ガガ様登場は変わらず21:00です。つまり1時間半ぼーっと待ってただけです。途中CMは入りましたが。前座が無くても同じなのだ。自分は最高に見やすいスタンド席だったので良かったですがアリーナスタンディングの人は疲れたろう。

 ガガ様このツアー終了後に線維筋痛症という痛そうな病気のため活動休止するとこの前日に発表。自分は旅行中に知ったわけで、現にこの一週間くらい前のモントリオール公演が中止になっていておいおいフィラデルフィア中止にならないよなと結構心配でした。本人が出てくるまで油断できませんでしたよ。



Lady Gaga/Joanne World Tour@Wells Fargo Center

























 やはりガガ様は不死身だった。メーキャップは剥がれても笑顔は消えない、フレディマーキュリー精神が乗り移ったかのようにステージの上で痛みなど感じさせない超人だった。

 ニューアルバム+グレイテストヒッツという集大成なセットリスト。誰でも聴いたことがあるPoker Faceが、Bad Romanceが、Born This Wayが目の前でブッといサウンドで次から次へ繰り広げられる。
 そして新作「Joanne」はそれまでのダンスポップシンガーのイメージから脱却したパーソナルなロックコンセプトアルバム。Perfect Illusionのシャウトはロックシンガーであった。
 そしてラストで歌われる最新曲The Cureはマイケルジャクソンのミディアムテンポ楽曲を思わせて完璧なメロディでありながら物悲しく泣けてくるのでありました。

 メインステージからアリーナ後ろのピアノのステージまで空中を通って何度か往復。リアルガチに金のかかった世界最高峰の豪華なショーだった。ガガ様個人の気迫がそれを上回る、ポップエンターティナ―でありながら熱いロック魂も感じさせるエモーショナルなライブだった。復活して来日した暁には絶対また見に行こう。



 ありがとうガガ様。このWells Fargo Centerの夜を決して忘れることはない。帰りは地下鉄、駅に入るまではめっちゃ混んでるんだけど、電車内は何故か全然混んでなくて余裕で座れるんだよな。





5-5 ニューヨーク後編



 9/11朝です。ニューヨークに戻る前にフィラデルフィアで行きたかった場所、ロッキーステップに来ました。美術館なんですが映画ロッキーでロッキーのトレーニングコースの終点にあたる場所です。ここは中心地からちょっと離れていて最寄り駅もないので市庁舎から30分かけて歩くしかないんですよ。行きはちょっと近いかなと思ってSPRING GARDENという駅から歩いたんですがそれでも20分かかる。
 あの階段はゆっくり歩かないで駆け上るべきですね。



 上まで行ったら両手を広げてやったー!エイドリアーン!と月曜の朝なので誰もいないんでやって来ました。週末とかは観光客も多いそうですがやっぱり観光は月曜に限る。脇にロッキーの銅像もあります。
 というわけでサヨナラフィラデルフィア。アメリカの都市の中で最も居心地のいい街でした。



 ニューヨークへは今回アムトラックを使わず、フィラデルフィアのSEPTA、ニューヨークのNJ Transitという在来線に乗って戻りました。途中トレントン駅で乗り換えます。キップはフィラデルフィアの券売機で一括で買えました。26ドルです。アムトラックの大体半額です。アムトラックに比べると時間はかかるし乗り心地は悪い、乗ってる客もガラ悪い。
 ちなみにトレントンにはマイナーリーグがあるけど9月にはもう終わっているのでした。





 大都会ニューヨークに戻り、チェルシーキャビンズにチェックインした後ワールドトレードセンターに行きました。そうですこの日は9.11なんですよ。駅ビルは高級なショッピングモールが出来ていました。
 グラウンドゼロは大勢の人。跡地に出来た噴水からは水の匂いがすごい。



 ついに来た! 4年前のニューヨーク旅行で最後に来た場所、バークレイズセンターに。ピンクフロイドの巨匠、ロジャーウォーターズのライブを見ます。ここでのライブがこの旅行の最後というのは出来過ぎでしょう。
 ロジャーは政治的に揉めていて実はこのアメリカツアーも一部開催が危ぶまれていました。彼はイスラエルボイコット運動をやっていてそれがユダヤ人差別に結びついて批判されています。もちろん彼はイスラエルの政策を批判しているのであってユダヤ人を差別してないと主張してますが同盟国アメリカでイスラエル批判はタブーなのです。それに比べればトランプ批判の方はエンターテインメントみたいなものです。
 そんなことでこのバークレイズセンター前にもユダヤ人団体がいてJEW HATER ROGER WATERSなどと書かれたプラカードを持って声を上げています。警備員も多くいて少し緊張感のある雰囲気でした。焦るんじゃない、俺はピンクフロイドが見たいだけなんだ。



 緊張の面持ちでバークレイズセンター入場成功。デペッシュモードやガガ様の時もそうだったけどこういう入口にある大きいグッズ売り場は混んでるので点在している小さい売り場で買う方が早いです。日本の大規模ライブもそうして欲しい。Tシャツを2枚も買ってしまう。プログラムはリュックに入りきらないほどデカい。



 マジソンスクエアガーデンに比べるとバークレイズセンターはずいぶん新しいアリーナなのでグッドデザイン賞って感じがします。
 上空に仕掛けがあるでしょ、あそこからアリーナを両断するようにスクリーンが降りてくる大演出があるのでスタンド席の方が全貌を見やすいんだけど、自分の席はアリーナ7列目です。値段同じでそんな席空いてたらそっち買うじゃないですか。巨匠の馬面を見の前で見たいじゃないですか。
 デイブは開店休業なのでこんな精力的にピンクフロイドのライブを再現してくれるのはロジャーしかいません。 プログレファンとしては一度ピンクフロイドのライブを目の前で見たい。今その夢が現実となる。



Roger Waters/Us + Them Tour@Barclays Center













 ああ、すぐそこに本物の巨匠がそこにいる。ずっと写真で見てきた馬がベース弾いてる。Speak to Meが始まる、ああ狂気や狂気や。そして吹けよ風、呼べよ嵐を挿入してからの目覚まし時計、ニートの歌Timeだ。もうここまでで昇天、ここで死んでもいいと思った。
 セットリストは「狂気」全曲に炎、アニマルズ、ザウォール、巨匠のニューアルバムの曲を挿入した感じ。 The Great Gig in the Skyの女性コーラス2人は日本人ならどうしてもオナペッツを連想してしまう。
 Another Brick in the Wallで第一部終了。着席が基本の日本のプログレライブとは真逆に盛り上がる。Hey Teacher!で拳を振り上げてきました。ようやくこれに参加できた。







 第二部、上から来るぞー!とばかりにスクリーンが降りてくると、
 トランプ来たー!!
 プーチンも来たー!!
 豚飛んだーーー!!
 いろんな意味で今回のライブの目玉と言うべき「アニマルズ」のPigsが炸裂する。トランプ支持であってもここまでやってくれたら一緒に盛り上がってしまうだろう。トランプのおかげで本気のウォーターズが見られて満足だ。自分がワシントン土産で買ったトランプTシャツを下に来ていたことは内緒だ。他に着るもん無かったから。







 そして大盛り上がりのMoney(ギルモアの曲はサポメンに歌わせたりする)の後、巨匠のありがたい演説、Eclipseで感動的なフィナーレ。スタンド席から見ると狂気のプリズムが綺麗に見えるんだろうけど。自分はその三角形の中心にいました。アンコール、Comfortably NumbでRESISTと書かれた紙吹雪が舞い終劇。

 狂気〜ザウォールのウォーターズフロイドベストを見られた。彼の怒りの集大成と言えるショーだったけど目の当たりにすると政治的であってもどうしようもなくエンターテインメントが勝り魅了されてしまう。このアメリカ人好みする演出の数々、フォーフォー言ってる能天気な聴衆に彼の怒りは通ずるまいよ。あいつらの何でも盛り上がった方が勝ちだ感は日本のドルヲタに通じるものがある。
 アメリカのアリーナの通路席はあまりいい席ではない。人が後ろからなだれ込んでくるからだ。



 バークレイズセンターを出て、地下鉄の駅の向こうに9.11追悼の光の柱が見えた。相変わらず乗る前は混んでいるけど何故か座れる地下鉄に乗ってホテルまで帰った。





 いやまだ終われない、これが最後の夜です。夜のタイムズスクエアを見ずに終われるはず無いだろう。4年前と同じでやっぱり馬もいる。月曜深夜とは思えない喧噪、これぞニューヨーク。もうホームレスでいいからここに残っちゃいたいなと思いました。この世にもこれっぽっちも未練無いから。



 マジソンスクエアガーデンとその向こうのエンパイアステートビルも9.11、星条旗仕様。夜のニューヨークは非日常そのものだ。またここに戻って来るだろう。












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